投稿者「石橋 悠人」のアーカイブ

京都歴史工房で報告をします(2019/12/21)

•京都歴史工房(京都大学, 2019/12/21)の例会で報告をします。

12月21日(土)13: 30〜17:30 「科学技術⇔政策実践を歴史化/相対化する」

報告1:春日あゆか氏(広島大学)
 「科学技術と政策実践――19世紀イギリスの大気汚染問題を例に」
報告2:石橋悠人
 「ヴィクトリア時代における時間秩序の再編成――グリニッジ天文台と新技術の社会的受容」
報告3:中空萌氏(広島大学)
「現代インドの生物資源をめぐる科学と政策のインターフェース:生物多様性条約後の実践を事例として」
以下、春日あゆか氏による要旨です。科学史や科学技術社会論といった分野では、科学実践は社会と相互に影響しあうものであり、必ずしも価値中立とは言えないことが示されてきました。また、そのような研究において、「科学政策(policy for science)」と「政策のための科学(science for policy)」が相互に影響しあっていることは明確になっています。このような成果は科学史以外の歴史学研究にも取り入れられていますが、歴史学分野において正面から取り扱う機会はあまりないように思われます。そこで今回は、政策実践と科学実践が相互に影響を与えながら近世・近代・現代と形を変えてきたことを意識しつつ、企画者の春日あゆかが趣旨説明をしつつ自身の研究に触れたのち、中央大学の石橋悠人さん(著書に『経度の発見と大英帝国』三重大学出版会、2010年)と広島大学の中空萌さん(文化人類学/著書に『知的所有権の人類学――現代インドの生物資源をめぐる科学と在来知』世界思想社、2019年)のお話をお聞きしたいと思います。

近世イギリス史研究会で報告します。

近世イギリス史研究会(大阪大学, 2019/10/12-13)のシンポジウムで報告をします。

10月12日14:00〜17:50 シンポジウム:「財政軍事国家論を再考する」

報告1:中村武司氏(弘前大学)
「財政軍事国家論から財政海軍国家論へ」
報告2:薩摩真介氏(広島大学)
「財政軍事国家と海軍政策──ジェンキンズの耳戦争期のスペイン銀船団の拿捕を中心に」
報告3:辻本諭氏(岐阜大学)
「社会の中で軍隊をいかに保持するか──イギリスにおける陸軍の駐屯のしかたと将兵の宿営をめぐる問題、1660~1740年」
報告4:石橋悠人(中央大学)
「財政軍事国家における海軍と科学技術」
コメント:古谷大輔氏(大阪大学)
総合討論

The International Conference on the History of Cartographyで報告します。

  • The International Conference on the History of Cartography(Amsterdam, 2019/7/14-19)において、以下のパネルで報告をします。
  • Panel: Mapping the Northern Pacific: transnational knowledge, instruments, representation. Amsterdam (organizers: E. Boyle and K. Parker)
  • Edward Boyle – Knowledge, Security and Cartographic Anxiety: Creating and utilizing cartographic knowledge in nineteenth-century Japan
    Katherine Parker – Looking Northward: A Comparative Analysis of Two Maps Showing the North Pacific Before Cook
    Vasilii Shchepkin – Perception, exploration, representation and the mapping of Ainu lands by Russia and Japan
    Yuto Ishibashi – British connections in the early Japanese hydrographic surveying, c. 1860-1880

中央大学学術シンポ「グローバル文化史の試み」研究会で報告をしました。

  • 中央大学学術シンポジウム「グローバル文化史の試み」の研究会で報告を行いました(2019/3/14)

「世界史における時間の標準化」

水上雅晴 「中国と日本における時の標準化とその展開」
石橋悠人 「イギリス帝国における時間の標準化」

  • 主催:中央大学学術シンポジウム「グローバル文化史の試み」(代表:縄田雄二)
    共催:中央大学人文研プロジェクト「東方思想の発展と交錯」(代表:水上雅晴)
  • 共同研究「グローバル文化史の試み」についてはこちら。本プロジェクトでは2020年度に世界史的観点から時間意識を検討するシンポを開催予定です。プロジェクトの成果を論集として刊行することを計画しています。

Book Review, Yulia Frumer, Making Time (Chicago, 2018)がIsisに掲載されました。

・History of Science Societyのjournal Isisに書評が掲載されました。

・Review, Yulia Frumer. Making Time: Astronomical Time Measurement in Tokugawa Japan (Chicago, 2018)

・天文学的時間計測の技法と実践の変化を軸に江戸時代の天文学を考察する研究です。近代のグローバルな時間意識の変化の事例研究としても読むことが可能な著作です。

竹内真人編著『ブリティッシュ・ワールド』が刊行されました。

[目次]

総論 ブリティッシュ・ワールド論の射程……竹内真人
第1章 ブリテン・アイルランド間の民兵互換……勝田俊輔
第2章 インドにおけるイギリス自由主義的帝国主義……竹内真人
第3章 時計時間の移植と管理……石橋悠人
第4章 ジェントルマン資本主義論が言わずにすませ、見ずにすませていること……アンドリュー・ディリー
第5章 帝国特恵関税同盟構想の理想と現実……松永友有
第6章 カナダ自由党と自由主義的帝国主義論……福士純
第7章 コモンウェルスという神話……馬路智仁
第8章 第二次大戦戦時中にブリティッシュなるものを放送する……サイモン・J・ポッター
第9章 アトリー政権期のコモンウェルス防衛と南アジア……渡辺昭一
第10章 独立後インドの「軍事的自立化」とイギリスの位置……横井勝彦

第3章では、イギリス帝国の植民地天文台ネットワークの形成とその時間の標準化に対する影響を考察しました。帝国と時間規律の関係については、さらに研究を進めていく予定です。